田舎びーと

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RESASを使って、人口構成を分析してみた

先日紹介した「地域経済分析システムRESAS」を使って、日本全体の人口構成を分析してみました。
 
RESASそのものの概要紹介記事は、こちらをご参考ください。

qnb.hatenablog.com

RESASには、「産業マップ」「農林水産業マップ」「観光マップ」「人口マップ」「自治体比較マップ」の5つの統計マップ機能がありますが、今回はその中でも「人口マップ>人口構成」を選択。

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この人口マップ(人口構成)は、日本全国の人口規模を地域単位にヒートマップとして表現しています。色の濃い地域が人口が多く、色の薄い地域が人口が少ないことになります。
人口マップの機能としては、都道府県単位、市町村単位を選択する事ができ、また、統計年を選択することができます。
 
この機能を使い、全国都道府県単位のヒートマップが時間の経過とともにどのように変化していくのかを見ていきます。

全国都道府県別人口ヒートマップ(2000年時点)

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北海道、関東圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)、中部(愛知)関西圏(大阪、兵庫)の色が濃くなっており、人口が多い事が直観的に分かります。
ちなみにこのRESASでは、沖縄含めた日本全国の表示ができません。スライド表示して確認するしかないので、ちょっと不便です。
 

全国都道府県別人口ヒートマップ(2014年時点)

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2000年と比較して、北海道、兵庫の色が薄くなっているのが分かります。
北海道と兵庫では人口が減っているのか?というと、実は必ずしもそうではありません。
このヒートマップは、都道府県人口の最大値と最小値を取り、5段階のレベルに区分して色分けしています。2000年と比較して、東京の人口規模が大きくなりすぎたために、相対的に色の濃さが薄まっているだけで、兵庫の人口規模は実際には大きな変化はありません。この変化からは、東京一極集中の様子が分かります。
 
次に、もう少し地域をブレークダウンして東京都を例にして人口構成を見ていきます。

東京の市町村単位の人口構成(2010年)

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この地図を見るだけでは、一見してどの地域の人口が多いのかが分かりにくいのですが、実際のWeb画面上ではカーソルを当てると自治体名と人口総数が表示される仕組みになっています。
人口ランキングでは、
1位 世田谷区 796,874人 (地図上:赤色)
2位 練馬区 654,150人 (地図上:赤色)
3位 大田区 650,323人 (地図上:赤色)
4位 江戸川区 619,121人 (地図上:濃いオレンジ)
5位 足立区 616,064人 (地図上:濃いオレンジ
となっています。

東京の市町村単位の人口構成(2015年)

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15年経て、2015年になると人口の分布に変化がみられます。赤色で表現されている地域が減り、全体的に色の濃さが薄くなっているのが分かります。
 
人口ランキングを確認してみると
1位 世田谷区 895,862人
2位 練馬区 743,084人
3位 太田区 704,180人
4位 足立区 669,676人
5位 江戸川区 689,332人
 
となっており、上位ランキングの地域では、むしろ人口が増えていることが分かります。
地図上の表現では、色が薄くなりながらも人口が増えている大田区などがあります。これも先ほど同様にヒートマップの色分け基準は絶対値ではないことに起因しています。一見、色が薄くなったように見えても、実際には数値的には人口が増えているケースがあるという事が判明しました。
 
RESASでは、ほかにも「人口推移グラフ」と「人口ピラミッド」を表示することもできます。下の画像にあるように、RESAS画面右側のメニューから選択することで確認できます。

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東京都 2015年時点の人口推移(期間:1960年-2040年)

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1995年を境に老年人口が年少人口を上回っていることが確認できました。
以後、その開きは更に拡大する傾向が見て取れます。
また、2030年頃(右から3つ目の点)から生産年齢人口が減少が目立つようになり、老年人口の上昇と合わせて人口構成が近づこうとしている様が分かります。
 

東京人口ピラミッド

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2010年と2040年(予測)の人口ピラミッドを比較してみると、40歳以上の多さが際立ち、圧倒的に若年人口が少ない人口構成が読み取れます。ここまでリアルにされるとちょっと怖いですね。
今よりも更に子供がすくない社会ってどんな感じなんでしょうか?
 

まとめ

・人口構成マップは、全国の地域単位の人口状況をヒートマップで視覚的に把握できる。

・ヒートマップは、地域人口の最大値と最小値を5段階に分けているので、実際には人口が増えていても、色が薄くなってしまうケースがある。

・東京一極集中が時間とともに加速している。