田舎びーと

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RESASを使って、北海道の将来人口について考えた

政府が開発した地域経済分析システムRESASを使って、北海道の人口問題について考えました。

 

北海道内の市町村人口分析

RESASの人口マップを使って、北海道の人口増減状況を表示したのが下のイメージです。濃い赤になるほど人口が増えており、濃い青になるほど人口が減っていることを表しています。

 

2000年時点での北海道人口増減マップ

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2000年頃の北海道内の人口増減状況を調べてみると、札幌や帯広を中心に増えている状況が読み取れます。その他、函館周辺地域や、中標津町北見市富良野なども増えていますが、全体的には人口減の地域がほとんどなので地図は真っ青です。

 

時を進めて2015年の状況をみてみましょう。

 

2015年時点での北海道人口増減マップ

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札幌周辺(札幌市、恵庭市千歳市)、帯広周辺以外は壊滅的に人口減になっています。北海道を深く知らない私からすると不思議なのは、なぜか中標津街が15年経った今でも人口が増えています。何かあるのでしょうか。

 

北海道人はどこから来て、どこへ行ってしまうのか?

 2014年の最新データをつかって北海道の人口移動について調べました。北海道の人はどの地域から多く引っ越してきて、どの地域に引っ越してしまうのか興味深いです。

 

北海道 定住人口移動円グラフ 2014年 

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転入超過状況の上位ランキングを見ると青森がダントツで多い事が分かります。

1位 青森県 186人(31.1%)
2位 宮崎県 69人(11.5%)
3位 広島県 60人(10%)
4位 山口県 52人(8.7%)
5位 静岡県 51人(8.5%)
6位 兵庫県 46人(7.7%)
7位 奈良県 33人(5.5%)
8位 岩手県 20人(3.3%)
9位 高知県 19人(3.2%)
10位 富山県 19人(3.2%)
 

意外にも北海道人は、宮崎や広島など比較的関西地域からの流入も多いようです。

転入合計が約400人強です。

 

これに対して、転入超過状況の上位ランキングを見ると

1位 東京都 4,077人(42.7%)
2位 神奈川県 1,520人(15.9%)
3位 千葉県 1,001人(10.5%)
4位 埼玉県 857人(9%)
5位 宮城県 327人(3.4%)
6位 愛知県 317人(3.3%)
7位 京都府 190人(2%)
8位 沖縄県 179人(1.9%)
9位 福島県 176人(1.8%)
10位 大阪府 125人(1.3%)

関東圏が圧倒的に多く、東京、神奈川、千葉へ引っ越ししている人が多いようです。

転出者の合計は、8,000人強です。

つまり、転出者数は転入者の約20倍近くもいることになります。

年代別で見ると30歳以下の年代が移動していることが明らか 

更に年代別の移動状況を詳しく調べてみると、転入も転出も20歳代が最も多い事がわかりました。

20歳代の転入者総数:210人  

20歳代の転出者総数:約6,000人
 20歳代の次に多いのが20歳以下の世代になりますので、ほとんど20歳までの若者が関東地域へ移動している状況が見えていきます。
30歳代以上になると、家族もできるためか移動する人の数は少なくなります。
 

札幌市の将来人口推移

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【出典】
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成
【注記】
パターン1:全国の移動率が今後一定程度縮小すると仮定した推計(社人研推計準拠)
パターン2:全国の総移動数が、平成22年から平成27年の推計値と概ね同水準でそれ以降も推移すると仮定した推計(日本創成会議推計準拠)
シミュレーション1:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇したとした場合のシミュレーション
シミュレーション2:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)まで上昇し、かつ人口移動が均衡したとした(移動がゼロとなった)場合のシミュレーション。

 
このままいくと、2060年には札幌市の人口が現在の半分程度になってしまいます。

北海道の人口対策

 北海道庁による人口ビジョン・総合戦略によれば、基本的な枠組みとしては、以下の図のようになります。
 

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1 子どもを生み育てたいという希望をかなえる

2 住み続けたいと思える生活環境を整える

3 食や観光をはじめとする力強い産業と雇用の場をつくる

4 北海道らしさを活かして人を呼び込み・呼び戻す

5 多様性を活かし、北海道らしい連携により地域を形づくる

 北海道人口ビジョン・北海道創生総合戦略

 

人口減を緩やかにするべく施策を実施して欲しいです。