禅マインドに学ぶ「コミュニケーション」の方法 |「禅マインド ビギナーズ・マインド」より
意図的な、かっこうのいいやり方で、自分を適応させるのではなく、ありのままの自分を表すことが、もっとも大事なことです
禅マインド ビギナーズマインド 「コミュニケーション」より
ビジネスにおいて最も難しいのはコミュニケーション
ビジネス社会において一定の経験年数を得ると、悩みの大半は「人」に関することになります。自分の意図したことが上手く相手に伝わらずに誤解をされたり、相手の真意が図りかねたり、メンバーのモチベーションのスイッチをONにできなかったり。
ビジネスのトラブルの多くの原因は、コミュニケーションにあります。
若い間は、仕事を上手くこなすためのスキルが問題になりますが、一定の経験を経るとスキルの差は一定レベルの幅の中に収れんされてしまいます。
もっとも難しいのはコミュニケーションの問題なのです。
自分と周りを幸せにするために大切なコミュニケーションとは?
自分自身に対して、きわめて自然であること、そしてほかの人のいうことや、ふるまいにもっとも適切な仕方で対処することは、とても難しいことです。意図的に自分を適応させようとすると、自然であることは不可能になります。もし一定の仕方で自分を適応させようとすると、自分を失います。意図的な、かっこうのいいやり方で、自分を適応させるのではなく、自分をありのままに自由に表現することは、あなた自身をそして人々を幸福にするうえで最も大切なことです。
禅マインド ビギナーズマインド 「コミュニケーション」より
大人になればなるほど、素直に表現することは難しくなります。「本音と建て前」という言葉がある通り、大人のビジネス社会では額面通りに受け取れない言葉が多くて困ります。ビジネス社会でのコミュニケーションは、自分の損得にダイレクトに関わってしまいます。知らず知らずのうちに言葉を慎重に選んだり、自分を不利にしないように巧みにさりげなく主張したりしてしまいます。
でも、本当に皆から愛されている人は、本音の見えやすい人だと思うのです。素直に自分の悪いところも含めて表現できている人は強い。そんな人に近づけるように、毎日、一歩でも前進できれば良いと思います。
禅において一番良いコミュニケーション方法
それは「ただ座ること」なのだそうです。それが一番良い方法と、鈴木俊隆先生は仰います。私には、その神髄は分かりません。座ることがコミュニケーションの状態というのは、座っているだけで余分なことがなく、自分が表現できているという意味なのだと思います。ビジネス社会では、ただ座っているというわけには行きません。
そんなことをしたら「給料泥棒!」と怒られるでしょう。
大切なことは、ありのままの自分を表現するのに、なるべく多くの言葉を使わずに素直に表現できる方法なのではないでしょうか?
打算ではなく、かといって無駄に攻撃的でもなく、自分のありのままを素直に話せたら、どんなにか楽かと思います。