田舎びーと

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禅ビギナーズ・マインド | ブレない心について考える

学者が禅について南隠禅師に尋ねた。

南隠禅師は、一杯の茶で学者をもてなす。

南隠禅師が茶碗を用意し、お湯を注ぎいれる。

茶碗からお湯が溢れるが、構わず南隠禅師は注ぎ続ける。

驚いた学者は、溢れたお湯を拭きながら、

「もういっぱいですので、結構です」

と言った。

すると、南隠禅師は、注ぐのを止め、

「今のあなたは、この茶碗と同じでいっぱいです。」

と言った。

禅問答「茶一杯の禅裡」より 

ジョブスも愛読したという「禅マインド・ビギナーズ・マインド」

将来に不安を覚えたり、上手くいかなくて落ち込んだり、イライラしたり。
そんな時に、久しぶりに読みたくなったのがこの本。

 

禅マインド・ビギナーズ マインド2 (サンガ新書 66)

禅マインド・ビギナーズ マインド2 (サンガ新書 66)

 

 

心のバランスを整えることの大切さ。

「もっとスゴイ自分になりたい!」

「もっとお金が欲しい!」

「もっとブログを上手に書きたい!」

人は皆それぞれに、自然と欲望が沸いてくるものです。

私もまた煩悩だらけのどうしようもない人間です。

 

でも、

あまりにも、その思いが強過ぎれば、バランスを失ってしまうような気がするのです。

 

「ありのままで良い。でも少しだけ前進できる。」

 

鈴木先生の、そんな言葉に励まされます。

本を読んで少しかじっただけの私は、禅を理解していません。なので、分かったような事をいうつもりもありません。

 

著者 鈴木俊隆とは?

アメリカに禅を広め、欧米では、鈴木大拙と並んで「2人の鈴木」と呼ばれている。

1959年に55歳でアメリカに渡り、サンフランシスコの桑港寺の住職となる。桑港寺はそれまで主に日系人向けに教化活動をしていたが、当時の社会運動により、非日系アメリカ人の参禅者が増加。日系人との間で軋轢を生むようになり、鈴木は彼らのために1962年にサンフランシスコ禅センターを設立。1967年には長期修行道場として、カルメル渓谷近くの山中のカリフォルニア州タサハラ温泉にタサハラ禅マウンテンセンター(禅心寺)を設立した。
1969年に禅センターは桑港寺より独立、公案を用いない只管打坐の曹洞禅の普及に貢献した。

Wikipediaより 引用 

言葉の違う国の人に禅の思想を伝え、普及させるというのは並大抵のことではなかったと思います。著書の中で、鈴木俊隆は「ただ座る」ことが最良のコミュニケーション方法だと言っていますが、その佇まいや姿勢から自然と人々に伝わる何かがあったのだろうと想像できます。

禅マインド ビギナーズ・マインドの概要

スティーブ・ジョブズが青春時代にむさぼり読んだ、禅のバイブル。ジョブズの伝記『スティーブ・ジョブズ』のなかでも深い影響を受けた本として掲載されている『zen mind beginner's mind』の新訳完全版。(日本版『スティーブ・ジョブズ』では旧訳タイトル『禅へのいざない』で掲載)

アップル創業前夜、世界を洞察する智慧をジョブズは禅に見た。ジョブズの真実を理解するために必読の一冊。

1970年に米国で出版以来、世界中で読まれている禅の入門書。
著者の鈴木俊隆老師は1959年に渡米し、サンフランシスコ禅センターを設立。渡米12年の間にアメリカにおける禅の基礎を築いた。アレン・ギンズバーグ、ゲイリー・スナイダーらビートニクたちを惹きつけ、1960年代、カウンターカルチャーのさなか、多くの若者が俊隆老師のもとで瞑想をした。のちにアップルを創業することになるスティーブ・ジョブズはまさにそうしたムーヴメントの申し子として本書と出会い、禅の道に入っていく。

ー Amazon紹介文より 

書籍の目次

  • プロローグ ビギナーズ・マインド―初心者の心
  • 第1部 正しい修行(姿勢
  • 呼吸
  • コントロール ほか)
  • 第2部 正しい態度(一途の道
  • 繰り返し
  • 禅と興奮 ほか)
  • 第3部 正しい理解(伝統的な禅の精神
  • 無常ということ
  • 存在の質 ほか)
  • エピローグ 禅の心

空(エンプティネス)であることの重要性

ビジネスの世界では、常に「答え」や「結果」を求められます。
難しい課題も、
「泣き言はいらない。どうしたら実現できるか?それだけを考えろ!」
そう言われて、育てられてきました。

 

ソーシャル全盛の現代、情報は常に溢れています。
ネット上に情報が溢れるのは、悪い事ではないのですが、自分の頭や心は別です。

溢れるほど多くのものを入れることはできません。

時々、空白が必要だと思うのです。

ビジネスでは、常に走り続けないといけないという恐怖心があります。
自分が怠けている間に、競合はもっとスゴイ努力をしてるのではないのか?
スポーツでも強いチームはハードワークだ。地獄のような練習を続けて、それでも勝てない事もある。

勝負の世界とは、常にそういうもの。

 

ただ闇雲に走り続けたり、考え続けたりするだけではなく、少しの時間で良いので
自分を空っぽにしてしまうこと。

 

それが「自分自身になる」ことでもあり、本当の意味で自分を強くすることに繋がるのだと思います。

 

正しい努力

最後に禅マインド ビギナーズ・マインドから鈴木俊隆先生の言葉を紹介します。

 

修業が上手くいっていると、自慢したくなるでしょう。

何かが上手くいっていると、それに何か余分なものを付け加えたくなります。

自慢は余分なものです。

正しい努力とは、余分なものを取り除くことにあります。