マイナンバー全世帯配送に遅れ 既に68件の事故。なぜ事故は起きるのか?
頼んだわけでは無いのに勝手に送られてくる。いたずらの出前の話ではありません。昨今話題のマイナンバー。なんでも、配達の進捗状況が遅れているとか。
マイナンバー配送の進捗状況は10%程度
10月23日に配達が始まったマイナンバー。予定では、11月中に全世帯に配布完了予定でした。
しかし、日本郵便によれば、11月11日の時点で配達が完了したのは595万件。
全世帯数が約5600万なので、およそ10%の進捗状況です。
16自治体で配達・交付ミス
すでに16の自治体で、計68件の配達・交付ミスがあったそうです。
別の人に交付してしまったり、本来記載してはいけない書類にマイナンバーが記載されていたり、別の人に配送したり・・・。
全世帯数が5600万ですので、68件の事故ということは、0.001%の事故率となります。
このままいけば600件以上の事故の可能性
現状の事故率をそのまま単純計算すると、
5600万世帯 × 0.001% = 616件
となります。
配送の遅れを取り戻すべく、焦って仕事をして事故率のパーセントが上がれば、1000件以上の事故件数は容易に想像がつきます。
なぜ事故は起きるのか?
では、なぜ事故は起きてしまうのでしょうか?私なりに考えました。
1.住民票の住所に住んでいないケースがある。
現代では、人の移動もかつてにくらべれば頻繁になったのではないかと思います。
一時的に働くために他の地域に住居を借りるケースはよくある事です。”一時的”と思えばこそ住民票は移さない。また、場合によっては、そのまま他人に住居を貸していたりするケースだってあります。これは本人が悪いのかも知れませんが、そうなれば本人には届きません。
2.そもそも郵便配達の精度は100%ではない
年賀状や手紙、郵便物など、過去に「お隣さんのものが届いた」という記憶はありませんか?政府の人は、郵便の精度を100%信じ切っている様子ですが、そもそも郵便配達の精度が100%だったことは一度も無かったのではいないでしょうか?
3.そもそも自治体の交付窓口も100%ではない
今回の事故の一例にあるのは、「住民票に間違えてマインバナーを記載してしまった」というケースです。この話だけを聞くと、「そんな馬鹿な。。」と言いたくなりますが、住民票には必ずしもマインバナーを記載する必要はなく、請求があった場合のみ記載するルールになっているそうです。
ちょっとイマジネーションを働かせて自治体の窓口状況を想像してみましょう。地域によっては、人が列をなして並んでいて、職員はオペレーションに追われています。
そして、窓口に来る住民もまた、完璧な人間ではありません。マイナンバーが何かすら分かっていない人もいるのです。そんな中で、誤って住民票に記載されてしまうケースがあったとしても全くおかしくないのです。
4.最後は人。100%ミスをしないようにするのは限界がある。
郵便配達も自治体窓口も、機械が自動的に配布するわけではありません。どんなに中間プロセスをしっかりとしたとしても、最後は人です。人である以上、必ず一定のミスがある前提で考えるべきでしょう。大事なことは、「絶対にミスはあってはダメだ」と厳しくすることではなく、最悪、ミスがあったとしても何とかなる仕組みを考えて置くことだと思います。今回のケースでは、どうだったのでしょうか?
まとめ:頼むから慌てず事故の無い仕事をしてほい
自分が頼んだわけでは無いのに勝手に送られてくる。
そして、勝手に私たちの大切な情報に関して事故が起こる。
これはいったい何なんでしょうか?
別に私たちは、どうしても12月から使いたいわけではありません。
無理に当初の計画に合わせて慌てて仕事をされれば、更なる事故を招きかねません。慌てていない今でさえ、0.001%の事故率です。サーバの稼働率ならこの事故率は許容範囲かもしれませんが、大切な個人情報の配送・交付業務です。0.001%でも大変な事故率だと思うのです。
きっと業務に従事されていらっしゃる方々は、日々、努力されていらっしゃる事と思います。少なくとも私は焦っていませんので、どうか事故の無い配送業務を願うばかりです。