地域経済分析システムRESASを使ってみた
地域経済分析システムRESASを使ってみた感想を簡単に言うとこんな感じです。
・使いこなせればスゴイ!!
・でも使いこなすのに結構スキル必要かも
・前提となるマーケティング知識や地域の課題意識が大切かも
RESASが誕生した背景
日本全体が人口減社会を迎えています。東京だけは、増えているように感じますが、
その東京ですら2020年には、人口減になることが予想されており、た全ての地域で
人口減になることが予測されています。
人口が減れば市場規模や地域経済が縮小することになります。
そこで政府は、日本の人口を「1億人で維持する」ことや、「出生率を1.8」まで回復することを目標として掲げています。
ちなみに現在の出生率は1.4で、1.8という数字は、希望出生率を意味します。
最近盛んに叫ばれている「地方創生」とは出生率の低い東京への一極集中を是正することで、この目標達成を図る取組です。
RESASは、地域のデータを集約的に集め、地域が客観的なデータに基づいて
現状の課題を把握し、政策立案を行う事を目的として開発されました。
地域経済分析システムRESASとは?
RESASは、地域のビッグデータを5つの切り口で分析することができるシステムです。
4つの切り口:「産業マップ」「農林水産マップ」「観光マップ」「人口マップ」「自治体比較マップ」
RESASの使い方
RESAS -地域経済分析システム-へアクセスします。
トップページでは、派手な花火が打ちあがっていますが、一見、メニューがどこにあるのか分かりにくいです。左側の三本線を押すとメニューが下の様に表示されます。
産業マップ
産業マップでは、地域の主要産業の全体像を把握することができます。
また、他の自治体の産業とのつながりを把握することもできますし、
具体的な企業間の取引関係を把握することも可能です。
これにより、自分の地域以外からお金を稼いでくる産業や雇用を支えている産業、付加価値を生み出してい
る産業などを把握することができます。
農林水産業マップ
農林水産業マップでは、地域の農業・林業・漁業を支える販売構造や、土地資源、就業構造の全体像を
ヒートマップやグラフを使って視覚的に把握することができます。
現状の分析はもちろん、昔の販売構造・土地資源・就業構造も同様に把握することができます。
過去から現在までの推移を見ていくのはとても興味深いことです。
今後、その地域が何を強化していくかを考えるのに役立ちます。
ちなみにRESASでは、隣接する周辺自治体や他の行政区域と比較することもできるので、他との比較から課題やヒントが見えてくるかもしれません。
観光マップ
観光マップでは、地域ごとに「いつ」「どこに」「どれだけ」の人口が集中しているかを見ることで、人気の観光スポットを把握できます。
地域ごとにどの都道府県、市区町村から人が来ているかを把握することができます。
地域観光のプロモーション戦略を考える上で、どの地域に重点を置くのかを考える上で非常に有用な情報となります。
限りある資金を有効に使い、費用対効果の高い地域プロモーションを考える為には、どこの地域に関心を持ってもらえているかは重要です。
自分達が想像するよりも雄弁にデータが語ってくれるので、観光PR戦略を立案する方は、是非有効に使ってもらいたいですね。
ちなみにRESASでは、どの市町村を経由して生きているのかを把握することもできます。
スゴイですね。
地域に閉じた観光ではなく、広域に観光PRの連携を図るなど検討することで、更なる観光活性化が図れそうです。
最近話題の、インバウンド(外国人観光客)についても、RESASならビッグデータ解析ができます。
都道府県単位・市区町村単位・10km メッシュ単位・1mk メッシュ単位で滞在者数を把握することもできます。
人口マップ
人口マップでは、地域ごとの現在と将来の人口構成や人口増減、人口移動の状況などを把握する
ことができます。
地図上に色で人口の増減状況が表示されるので、一目瞭然に人口の増減状況が分かります。
都道府県単位では、東京の一極集中具合が見て取れます。
人口構成を把握できるということは、高齢者人口の推移も把握することができるので、医療・福祉政策や
社会インフラの整備の検討材料になります。
また、その地域からどこに人が移動しているかや、逆にどこの地域から人が流入してきているかを知ることもできます。
会社や工場そのものの移転などに伴うものは想像しやすいのですが、客観的なデータで見ると想定していないような
データもすぐに把握できます。
こうしたデータを眺めていくと、その地域の人口推移として、自然増減(出生・死亡)と社会増減(転入・転出)のどちらが、自治体の将来の人口増減に影響があるのかを把握することができます。
人口施策についても、重点の置き方が変わってきますね。
また、近隣の複数自治体を合算した形で、現在と将来の人口構成や人口増減を把握することもできます。
自治体比較マップ
自治体比較マップでは、地域ごとに「経済構造」「企業活動」「労働環境」「地方財政」の 4 つの視点から分析・把握することができます。
他の地域と比較することで、上記の視点ごとに地域の強みと弱みを把握することができます。
また、各指標ごとにランキングが表示されているので、上位ランキングされている自治体がどのような施策を行っているかを調べれば参考になります。
RESASを活用したワークショップも盛んに展開されている
2015年11月現在においても、RESASを活用したワークショップは盛んにおこなわれています。政府の本気度合いが伺えますね。
10月だけでもこれだけのイベントが開催されている様です。
- RESASの出前講座を開催します(福井高専、千葉大学、八重山高校、沖縄高専)
- RESASを活用した政策立案ワークショップを山形県酒田市で開催します
- 「地方の明日をつくるのは誰だ?」with RESAS が開催されます
- RESASの昭和女子大学での出前講座を開催します
- RESASの普及促進に係る協力体制を構築していきます
- RESASの高校・大学等への出前講座・ワークショップを開催します
最新の情報はここで確認できます。